英国の新首相 [イギリス考]
(画像はBBCより)
今月の27日(水)にブレア首相が退任します。彼の後任として首相になるのはゴードン・ブラウン氏です。ゴードン・ブラウン氏はトニー・ブレア氏と並ぶ労働党の2大看板といったところでしょうか。トニー・ブレア氏が労働党の方針として「第3の道」を選択し、左派からより中道よりにしたことから分かるとおり、労働党内では「右派」に位置するのに対し、ゴードン・ブラウン氏の政治的スタンスは「伝統的左派」「弱者保護」に重きを置くようです。彼については以前「ゴードン・ブラウン氏について」というエントリーで一度書いているので、よろしければそちらもご覧下さい。
同じ労働党内ではありますが、ブラウン氏はブレア氏の最大のライバルと目されていた人です。ブラウン氏をブレア氏の因縁を語るものとして「ブレア・ブラウン協定 (Blair-Broun deal)」という逸話が広く知られています。コレは、1994年労働党党首のジョン・スミス氏がなくなった後、後継者の座についてブレア氏とブラウン氏の両名が交わしたであろうとされる紳士協定のことです。この協定によりブラウン氏は年長者であったにも関わらず、当時人気の面で勝っていたブレア氏に党首の座を譲り、その代わりに英国財務大臣の椅子とブレア後の党首の座を得る約束をしたとのことです。真偽のほどは定かではありませんが、それほどまでにブラウン氏の力がブレア氏と拮抗していたことを象徴する逸話です。
ブラウン氏が財務大臣任期中の10年間にイギリスは「金融立国」による繁栄を見出し、いまやEU内で最も経済成長率の高い国となっています(朝日新聞 「イラクでつまずいたブレア英首相の退陣」)。このイギリスの金融立国を陰で支えた功労者としてブラウン氏の政治手腕は高く評価されています。彼が財務大臣任期中に奇しくも日本財務省から英国財務省へ出向をされた日本の方がいらっしゃります。そちらの方が英国財務省内の実際を日本財務省と比較をしつつ描写されている文章がインターネット上で公開されております。実際のブラウン氏に関する逸話も様々にあるので、ブラウン氏の人となりについて知る手がかりになると思います(英国便り)。
現在、ブラウン氏は就任に先立ち盛んに「モラルの確立と信頼の醸成」を叫んでいるとのことです。ブラウン氏の目下の急務として、ブレア氏のイラク派兵で落とした労働党の支持率を何とかすることがあります。労働党としてイラク派兵を行った事実をブレア氏と共に過去のものとすることで、何とか労働党自体の生き残りを図ろうとしているようです。しかし、トップに立つ人は大抵いつも批判の矢面に立たされるもので、早速、「モラルとかいっておきながら昔こんなことがあったよ」的に過去の話をほじくり返されています(BBC 「Trust me, I'm Gordon-not Tony」)。
このいろいろと話題にはことかかなさそうな人物が、27日(水)を持ってイギリスの首相になります。
さて、お手並み拝見というところです。
お手並み拝見:Exhibit your skill, please.
日本では、様々な不祥事が噴出しており、その状況が収集できていないような気がいたします…(´・ω・`)
最近では、北海道の食肉の偽装がすごい取り上げられ方です。
他にも某総○のビル差し押さえや国会の会期延長などがクローズアップされました。首相も次の参議院選で敗退したら退陣になるかもしれません…。
by Watcher (2007-06-26 22:19)
>首相も次の参議院選で敗退したら退陣になるかもしれません
そいつは知りませんでした。もしそうなったら次は誰ですかね。麻生さんなんかがひょっこりなるのかもしれませんね。
日本は不祥事で大変そうですが、イギリスは暴風雨で大変なことになってました。シェフィールドでも大雨による増水で死亡事故がおきるなど結構被害がありました。私は家に籠もってパソコンをぺちぺちやっておりましたので実害はありませんが。
by ガワ氏 (2007-06-26 22:45)